何もしなかった場合
・相談者に相続が開始すると、Aさんと長男とで遺産分割協議が必要となる。
・Aさんと長男とで仮にAさんが自宅、収益マンションを相続する協議が成立したとしても、Aさんに相続
が開始すると、自宅はAさんの長女が相続することなる。
遺言を使った場合
相談者は「自宅などをAさんに、相続させる」Aさんは「相談者から相続した自宅などを長男に遺贈する」旨の遺言をお互いに書く必要がある。
・遺言はいつもでも撤回できるので、相談者亡きあと、Aさんが自分の長女に自宅などを相続させる内容に書き換えることも可能。
家族信託を使った場合
・信託契約書の中で第二受益者をAさんと定めることで、相談者の相続手続きについて遺産分割協議をすることなくAさんが財産を承継することが可能。
・信託契約書の中で第二受益者であるAさん亡き後は信託が終了し、残余財産は長男が承継する内容にしておけば、Aさんが「相談者から相続した財産を長男に対して遺贈する」旨の遺言を書いたのと同様の効果を得ることが可能。長男のAさんへの不信感を抑えることができる。
・Aさんの住居、賃貸収入の確保だけが目的であれば、自宅と収益マンションを信託財産とし「それ以外の財産を長男に相続させる」旨の遺言を書いておく「遺言」と「家族信託」の併用も可能。