家族信託とは

家族信託とは

家族信託の仕組み~信じる家族に資産を託す~家族信託の仕組み~信じる家族に資産を託す~

家族信託の仕組み

家族信託とは?

特定の人(委託者)が、一定の方法(信託行為)によってその信頼できる人(受託者)に対して自分が有する財産を移転し、受託者は委託者が設定した⼀定の目的(信託目的)に従って受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分などを行う財産管理制度です。
信託銀行等のプロに資産を預けるのではなく、信頼できる家族・親族に財産を託し、費用を抑えた形で柔軟な財産管理と資産承継を目指すことができます。

不動産を信託するとどうなるの?

委託者から受託者へ名義変更手続きをします。

信託不動産の登記簿記載例
権利部(甲区)(所有権に関する事項)
順位番号 登記目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
1 所有権移転 平成2年12月1日〇〇〇号 原因 平成2年12月1日売買
所有者 大阪市西区北堀江一丁目〇〇
大阪親治
2 所有権移転 平成30年5月1日〇〇〇号 原因 平成25年1月25日信託
所有者 大阪市中央区心斎橋1丁目〇〇
大阪託治
信託 余白 信託目録第△△△号

財産の管理処分権限を持つものとして形式的に所有者欄に記載されます

信託目録
番号 受付年月日・受付番号 予備
第〇〇〇号 平成25年1月25日〇〇〇号 余白
1.委託者に関する事項 大阪市西区北堀江一丁目〇〇 大阪親治 →託した人(委託者)
2.受託者に関する事項 大阪市中央区心斎橋1丁目〇〇 大阪託治 →託された人(受託者)
3.受益者に関する事項 大阪市西区北堀江一丁目〇〇 大阪親治 →収益を得る人(受益者)
4.信託条項

信託の目的(何のための信託か?)

受益者の資産の適正な管理及び有効活用を目的とする。

信託財産の管理方法(受託者の権限の範囲)

  • 受託者は、信託不動産について、信託による所有権移転または所有権保存の登記及び信託の登記手続を行うこととする。
  • 受託者は、信託不動産を第三者に賃貸することができる。
  • 受託者は、信託の目的に照らして相当と認めるときは、裁量により信託不動産を換価処分することができる。

信託の終了事由

本件信託は、委託者兼受益者 大阪親治が死亡したときに終了する。

その他の信託条項

  • 本件信託受託者は、受益者及び受託者の合意がない限り、譲渡、質入れその他の担保設定すること及び分割できないものとする。
  • 本件受託が終了した場合、残余の信託財産については、大阪託治に帰属するものとする。

ポイント!
委託者受益者
贈与税や取得税はない

ポイント!
死亡後の資産の承継先を指定できる→遺言機能

権利部(甲区)(所有権に関する事項)
順位番号 登記目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項 ポイント
1 所有権移転 平成2年12月1日〇〇〇号 原因 平成2年12月1日売買
所有者 大阪市西区北堀江一丁目〇〇
大阪親治
2 所有権移転 平成30年5月1日〇〇〇号 原因 平成25年1月25日信託
所有者 大阪市中央区心斎橋1丁目〇〇
大阪託治
財産の管理処分権限を持つものとして
形式的に所有者欄に記載されます
信託 余白 信託目録第△△△号
信託目録
番号 受付年月日・受付番号 予備 ポイント
第〇〇〇号 平成25年1月25日〇〇〇号 余白
1.委託者に関する事項 大阪市西区北堀江一丁目〇〇 大阪親治 →託した人(委託者)
2.受託者に関する事項 大阪市中央区心斎橋1丁目〇〇 大阪託治 →託された人(受託者)
3.受益者に関する事項 大阪市西区北堀江一丁目〇〇 大阪親治 →収益を得る人(受益者) ポイント!
委託者受益者
贈与税や取得税はない
4.信託条項 信託の目的何のための信託か?
受益者の資産の適正な管理及び有効活用を目的とする。
信託財産の管理方法受託者の権限の範囲

  • 受託者は、信託不動産について、信託による所有権移転または所有権保存の登記及び信託の登記手続を行うこととする。
  • 受託者は、信託不動産を第三者に賃貸することができる。
  • 受託者は、信託の目的に照らして相当と認めるときは、裁量により信託不動産を換価処分することができる。
信託の終了事由
本件信託は、委託者兼受益者 大阪親治が死亡したときに終了する。
その他の信託条項

  • 本件信託受託者は、受益者及び受託者の合意がない限り、譲渡、質入れその他の担保設定すること及び分割できないものとする。
  • 本件受託が終了した場合、残余の信託財産については、大阪託治に帰属するものとする。
ポイント!
死亡後の資産の承継先を指定できる
遺言機能

金銭(現金)を信託するとどうなるの?

信託口口座を開設して金銭(現金)を管理します。

受託者は信託財産と個人財産との分別管理義務を負っています。
そのため受託者名義の信託専用口座を作成する必要があります。

信託口口座がないと・・・

預かった金銭の振込、家賃の管理、現金の管理ができない!

信託口口座例

他の財産管理・資産承継対策と家族信託との比較

一般的な財産管理・資産承継対策 家族信託
委任契約
任意代理契約とも呼ばれ
民法上の委任契約に基づく
  • 本人確認が必要認知症に対応できない

例)定期預金解約の場合
代理人が委任状を持参して銀行の窓口で委任者名義の定期預金を解約しようとしても預金名義人本人の解約意思確認ができなければ解約できない。

本人確認は不要
(預金名義=受託者
成年後見制度
認知症などで判断能力が
不十分な者の財産や権利を保護し、
支援する制度
  • あくまで本人のための制度であり、本人にメリットがない行為や財産を減少させる行為は不可
    ⇒相続税対策、積極的な資産運用不可
    例)土地の買い替え、生前贈与、借り入れによるアパート経営
  • 財産管理状況の家庭裁判所への報告義務有
  • 家族以外の専門職後見人が就任する可能性有
  • 後見制度支援信託
    一定以上の現預金は全部信託銀行に預けなければならない

家庭裁判所の監督のもと被後見人の財産は凍結された状態になる。

信託財産は受託者名義なので、
信託契約の内容に沿った柔軟な財産管理処分が可能
遺言
  • 二次相続以降の相続人の指定ができない。
    例)父が、遺言で、「自分の死亡後、後妻に財産をあげるが、後妻が死亡したら前妻の子に財産をあげる」は不可

遺言執行手続き、相続手続きが必要⇒手続完了まで資産凍結

二次相続以降の相続人の指定可能
信託財産は受託者名義なので
遺言執行、相続手続き不要

家族信託のイメージ(まとめ)